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  • 天然マダイと養殖マダイの美味しさ

    瀬戸内海では、4月のマダイは特別な美味しさなので「桜鯛」と呼ばれている。山々に桜の花が咲く頃に、産卵のために瀬戸内海に集まるマダイは姿・形、堂々と回遊する姿から魚の王ともいわれている。瀬戸内海のマダイの白身の美味しさは、甘味もあり食感もよい。魚の王といわれるマダイは養殖する価値があり、早い時期から養殖に取り組んでいる。ここでは、天然と養殖の美味しさの違いを考える。

    天然マダイの美味しさ

    20年ほど前に関サバ・関アジの水揚げで知られている大分県佐賀関の漁業協同組合の理事長さんが、豊後水道のマダイも美味しいが、瀬戸内海の明石のマダイの美味しさには負けると話していた。

    明石のマダイは、産卵のために外洋から鳴門海峡の荒波の渦潮を横切って明石の内海に近づく。この荒波を横切るときの運動により筋肉が締り、この間に生成したエネルギー生成物質のATP(アデノシン・3・リン酸)が蓄積される。筋肉中のATPはイノシン酸(核酸系うま味成分)の生成に関与する。さらに、死後硬直の筋肉のほどよい硬さの形成に関与する。豊後水道の海流も激しいが鳴門海峡ほどではないので、筋肉の締りは明石のものよりやや弱く、ATPの生成量も少ないので、水揚げ後の筋肉の締りが弱いと考えられる。

    天然マダイの餌はエビやカニなどの甲殻類が多い。甲殻類の殻には赤色に関係するアスタキサンチンが含まれており、マダイ表皮の赤みのある色の形成に関与している。マダイの筋肉にはエビやカニのうま味成分としてグリシンやベタインなどのアミノ酸系の成分が存在し、これらがマダイの甘味のあるうま味となっている。

    養殖マダイのうま味は進化した

    養殖マダイが市場に出始めた頃は、表皮の色が赤みより黒みを帯びているところから、人気がなかった。天然マダイは太陽光線の届かない比較的深いところに棲息し、太陽光線の影響を受けないので表皮はアスタキサンチンの赤色を示している。養殖マダイは太陽光線の影響を受ける浅いところで養殖しているため、表皮の色は黒みを帯びてしまう。後に、宇和島湾では、養殖生簀をやや深い水深に設置したり、餌にアスタキサンチンを添加して表皮に赤みのある養殖マダイを作り出すことができた。

    養殖マダイの餌は、フィッシュミールを利用した人工飼料を投与するので、水揚げ後の処理に失敗すると餌の魚臭さを感じることがあった。養殖マダイは水揚げ後の熟成の時期に餌の魚臭さが現れてくる。とくに、煮つけや焼き魚では魚臭さが目立つことがあるので、死後硬直前に刺身で食べるのが良いといわれていた。

    養殖マダイは死後硬直・解硬などの過程で、餌の魚臭さが現れることが多かったが、死後硬直の状態では、筋肉内の水分が遊離した状態にあるので食感が悪い。天然マダイなら死後硬直が終わり、解硬が溶けて熟成に入った方が水分子と筋肉成分の間に水素結合ができてしなやかな食感となる。

  • 餅の弾力性とデンプン

    3月の雛祭りは「桃の節供」、現在の子供の日は「端午の節供」といい、それぞれ五節供のひとつに数えられている。古くは、節供では「祓い」が重要な行事であった。雛祭りには草餅を食べ、端午の節供には柏餅を食べる習俗は今も続いている。両者とももち米を蒸して作った餅で餡を包んだものである。今月は餅の美味しさに触れてみる。日本のハレの日には餅は欠かせない。正月の雑煮の餅、鏡餅、雛祭りの草餅、端午の節供の柏餅など、祝い事には餅がつきものである。古来、餅はイネの霊力を宿したご馳走の意味があった。

    弾力性は、デンプンの網目構造

    餅は、もち米を蒸し、熱いご飯を臼の中に入れて杵でつき、もち米の中のアミロペクチンというデンプン分子をしっかりした網目構造に作り上げる。米のデンプン分子には、粘りの無いアミロースというデンプン分子と、粘りのあるアミロペクチンというデンプン分子がある。前者は、デンプンを構成しているブドウ糖(グルコース)が直鎖状に並び、螺旋形に存在している。もち米のアミロペクチンは、デンプンが木の枝のように枝分かれした状態となって粘りがない。餅をつくことにより、蒸したもち米に含まれている水分子と枝分かれしたデンプン分子が水和(水分子がデンプン分子と結合する)して、デンプン分子は不規則な配列となり、そこに水分子も入り込んでくるから糊化して粘りがでる。家庭の食事に使ううるち米には、アミロペクチンとアミロースが4:1の割合で存在しているので粘りは強くないが、もち米のデンプンは粘りのあるアミロペクチンを100%含み粘りがある。杵でつくことにより、水と結合しているデンプンは、網目構造を形成しながら糊の状態になるので、弾力性のある餅となる。餅や菓子、パンなどの物理的性質を「オロギー」という。

    ヨモギと柏の葉の意味

    草餅には細かく刻んだヨモギを入れる。春に旬の薬草の新芽を入れることにより、旬の生命力を授かるという願いが込められていると伝えられているが、現代の栄養学では緑の草に含まれるカロテノイドを供給する意味と考えたほうがよい。

    柏餅の柏の葉には、防腐効果があるといわれている。粽の材料のチガヤの葉には強い魔除け効果があると伝えられている。

    餡の意味

    春の彼岸には越冬した小豆を使うため、小豆の表面の皮が硬く、そのまま潰して餡に加工すると食感が悪い。そこで、皮を除いた小豆で作る漉し餡となった。秋の小豆の皮は軟らかいので粒餡となった。昔は、春の牡丹餅は漉し餡、秋のおはぎは漉し餡だった。現在は、品種改良と小豆の保存性が良くなったので使う餡には区別がない。

    餡に小豆が使われるのは、赤は邪気を払い、一年間病気を防ぐ効果があるといわれていた。小正月に小豆を食べるのも邪気を払う意味があるとのことである。

  • アユの塩の振り方による美味しさの違い

    6月に入り電車で大小さまざまな河川の鉄橋を渡ると、アユ釣りを楽しむ人々の「アユ釣り解禁」の風物詩が目に入る。釣り上げたアユのヒレに化粧塩をし塩焼きにするのは、アユ釣りの究極の楽しみである。アユ全体に塩を振ってしばらく経ってから焼く塩焼きや、背開きして塩を振った干物の焼きものは弾力の食感が異なる。これには、塩によるたんぱく質の変化の違いが起こるからである。

    アユの塩焼きは香りとソフトな食感

    アユは香魚とも書かれる。その理由は、ある程度の大きさに育ったアユは、特有の香りを持っており、この香りが塩焼きの美味しさの要因となっているからである。そのために香魚と書く。アユの香りは餌に左右されることが多い。アユは川底の石に生育している珪藻を食べているので、その珪藻に由来する香りといわれているが、アユの体内の不飽和脂肪酸が体内の酵素によって生成される2,6−ノナジエナールが主体である説が有力である。

    川で釣り上げたアユは、直ぐに串を刺し塩焼きにするのではなく、足で踏んだり包丁で即死させ、しばらくしてから(死後硬直が終わるころ)塩を振る。塩を持った手はアユとある一定の距離をおき、パラパラと軽く塩を振る。ヒレが焦げないようにヒレには沢山の化粧塩をしてから焼く。すると遠火の強火で化粧塩が焦げ、アユの両面の皮が焼き膨れ、出来上がりである。

    アユの白身はソフトで、うま味成分のアミノ酸と塩との相乗効果によりうま味が一層引き立ち、満足した美味しさとなる。アユの食べ方を自慢する人には得意な食べ方がある。皿の上の塩焼きのアユ全体を、箸でまんべんなく押し、頭部のエラのところに力を入れて骨を折り、尾びれを引っ張ると中骨がきれいに抜けて食べやすくなるのである。

    塩を振ってしばらく置いたアユの塩焼きは弾力ある食感

    アユの塩焼きでは、イワシやサンマの塩焼きのように魚体の全部に塩を振って、一定時間置いて塩を身に浸透させて焼くという焼き方はしない。筆者と京都の老舗料理人の研究会の方々と、アユに塩を振ってしばらく置いてから焼いたらどんな焼魚ができるかを試した。アユの身はソフトでなく弾力のある身になった。何故弾力のある身になったのかは、アユの身の中のたんぱく質が塩水に溶けて糊のようになってしまったからである。これまで食べたことのないアユの塩焼きの食感となった。

    蒲鉾は魚の身(たんぱく質を豊富に含む)に対して1%ほどの食塩を加えてすり潰すのである。こうすることにより、魚の身は糊のようになる。これを板につけるか、丸い形や楕円形にして加熱したのが弾力のある蒲鉾、つみれやさつま揚げである。アジやサンマの干物に弾力があるのも、アジやサンマの身が塩で糊のように変わっているからである。魚の身が糊のようになるのは、魚のたんぱく質の分子が網の目のようになって塩水に分散し、加熱することによりたんぱく質は硬く変性し、網の目がしっかり繋がるからである。網状構造のものは弾力性がある。

  • 神饌のマダイは何処へ

    神社で、神饌として供える魚の中で、最も高い位置にあるのはマダイである。「タイ」は「めでたい」につながるばかりでなく、美しい姿、赤色をしているからである。もちろん、マグロのトロのように脂っこくなく、上品な味をもっているからである。

    神饌として供えたものは、儀式が終わると神職で分ける。高級品は神社でもっとも高い位の宮司に分ける。次に高価なものは権禰宜、禰宜に分けられる。マダイは最高に高級な神饌なので、かならず宮司に分けられる。しかし、宮司も毎日マダイを食べ続ければ飽きがくるので、形式的にはいったん宮司に分け、宮司から他の神職に分けるようである。実は宮司の家族が毎日マダイを食べるのはつらいところがある。

    地域によって違う
    「お汁粉」「ぜんざい」

    小豆や餅の入った甘い食べ物は、地域により呼び方が違うが、店によっても意味が違うらしい。東京のある店に書かれた「田舎汁粉」「ぜんざい」「御膳汁粉」について、地方から訪れてきた客と店の解釈が違っていた。

    店の説明;
    「ぜんざい」は小豆が粒々で汁のない液体でないもの。
    「田舎汁粉」は粒々がある。
    「御膳汁粉」は漉し餡の汁。

    野瀬氏の九州人の解釈;
    「豆は粒々汁の無いもの」はすべて「あんこ」で、「汁のあるもの」はすべて汁粉であるとの解釈である。

    参考文献:野瀬泰申氏の「天ぷらにソースをかけますか」(新著文庫)

    小アユの天ぷら

    アユは内臓ごと食べ、内臓に含まれる苦味がたまらないという人もいる。アユの苦味は、餌としている川底の石に生えている珪藻の苦味といわれている。

    大きなアユは塩焼きで食べる。琵琶湖の小アユは遺伝的には違う種類らしいが、アユの旬の頃、この小アユの天ぷらを食べさせてくれる店は気の利いた店である。塩焼きの内臓の苦味は苦手でも、小アユの天ぷらなら丸ごと食べられるので内臓のホロ苦味も絶妙な味として味わえるはず。一度試してみては。

    ところで、天ぷら専門店では天つゆでなく、いろいろな塩で天ぷらを食べることをすすめる店が多くなった。天つゆの存在が消えそうであるが、天つゆに大根おろしを入れて、箸休めにするとよいという店もある。

 
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