◆テーマ: 『江戸文字のおはなし』 ~築地のお話 移転・波除神社~
◆講 師: 有限会社 津多屋商店 三代目 加藤木大介氏
◆ 日 : 2018年7月4日(水曜日)
◆場 所: 小堺化学工業株式会社 地下MPホール
◆時 間: 18:30~20:30
◆概 要:
津多屋商店は、昭和6年築地市場が開設されるのとほぼ同時期に初代が開業し、手書き文字で江戸のれんなどを手掛ける三代目の加藤木大介氏にご登壇頂きました。
魚河岸は日本橋に創設された江戸時代より、粋な気風が連綿として受け継がれてきている所であり、その気質を十分受け継がれている加藤木氏のお話は、とにかく楽しいの一言でした。
「職人は、寡黙でないといけないかもしれないが、話をしなければ伝わらない」と仰る通り、次から次へとアイディアや築地のお話が止まりません。
築地で80年以上住んでいるからこそ話せる移転問題や波除神社に携わっていらしたから感じるよもやま話等、WSを通して江戸文字を書いてみる事も体験しました。
さて、江戸文字とはなんでしょうか?
五代将軍徳川綱吉の頃から世の中が落ち着き、歌舞伎や浄瑠璃、相撲、お芝居や見世物小屋等にお客を沢山呼び込むために、芝居小屋がお客でいっぱいになるようにと縁起を担いで、なるべく白い部分を少なく、黒い部分を太く勢いのある文字を書きました。
これらは、それぞれ文字に名前がつくほどでこれらは、現代にも伝わっています。
・歌舞伎は勘亭流
・浄瑠璃は浄瑠璃文字
・相撲は相撲文字
・寄席はビラ文字等
江戸時代に生まれ現代に伝わっているデザイン文字を総称して「江戸文字」と言います。
中でも一般的には、お祭り・提灯屋・染物屋・籠字・力文字などです。
加藤木氏は、その江戸文字を素材は何であれ、手書き文字であっという間に形にされます。
築地市場のあちこちの看板を手掛けている加藤木さんは先代から「暖簾は、美味しそうな文字を書け」という事だけは、今も肝に銘じていると。
今回のWS体験はプロのお手本で「日本橋」という江戸文字を加藤木氏のお手本通りに書いてみました。
しかしながら、WSよりも加藤木氏の講演が楽しすぎて、ほぼ80分近くは江戸文字・築地界隈のよもやま話・波除神社のお話と話題満載。どんなに話に夢中の時も手は文字を書いていてくださり、参加者は書画カメラでしっかりと加藤木氏の文字を拝見することができました。
また、伝承会のオリジナルのポチ袋にも「伝承会」という江戸文字を書きこんで頂き、この限定品が今回の貴重なお土産でした。
また自分の名前を江戸文字にしたい方は、下記サイトからお店で実際に制作体験をすることもできます。
勘亭流よりもデザイン化された「江戸文字」を学んで大満足のひと時でした。
集合写真
本日のお土産
オリジナルポチ袋
魚河岸手ぬぐい
お手本の「日本ばし」