はし休め
日本橋倶楽部会報5月号(第489号)
【五月号】
日本人がこれほどまで、手洗いをしたことは近年無かったかもしれない。
アルコール消毒液が品薄となり、新型コロナウィルス対策として手指洗浄が推奨されている。高校の化学で習ったように、石鹸は油脂とアルカリの「鹸化反応」により生成され、細菌やウィルスが付着した手指表面の皮脂を「界面活性作用」によって洗い流す。殺菌作用は無く、洗浄しているだけである。(注;逆性⦅酸性⦆石鹸は殺菌作用を合わせ持つ)日本ではラテン語で「ウィルス」、下水道に流された後でも、「Oui (ウィ)留守」とラテンの乗りよろしく遊んでいるように思えるが、浄水場で天敵の塩素により確実に葬られる。この種のウィルスの突起が太陽のコロナや王冠に似ていた為、公式国際名称は「COVID 19」(コーヴィッド19=CORONA VIRUS DISEASE 2019) 。まるで映画に出てくるスパイのコードネームのようだが、今や一般市民もこの見えない諜報員から身を守らなくてはならない。発生国では禁句かもしれないが、「集・近・閉」 を避け、自己犠牲も厭わない医療関係者に感謝し、こんな時でも忍び寄るコンピューターウイルスとデマウイルスを駆逐しつつ、一日も早い収束を祈る。