はし休め
日本橋倶楽部会報1月号(第496号)
【一月号】
「初夢」
元旦から2日の夜までに見る夢を初夢とし、一年の吉凶を占う。しかし昨年、吉の初夢を見た方々の予想はコロナの為にことごとく外れてしまった。覚醒すると一瞬にして忘れてしまう夢の分析を心の病の治療に役立てようと研究したのがユダヤ系オーストリア人、ジークムント・フロイトである。「精神分析学」を創始した彼は、抑圧され無意識下へ封印された精神的苦痛は病気という形をもって表面化し、それを再認識させることで治癒できると提唱して、「夢分析」や「自由連想法」によりヒステリー患者などの治療を試みた。閑話休題、いつだったかの夢。「日本橋老舗の旦那衆が小料理屋のL字カウンターに居並び、新年会をやっている。順に近況報告をすることになり、私の番が来るが、何故か抜かされ左隣の老舗眼鏡舗のM田社長が話始めた。しかし『2年前に急逝したのでは?』と私が彼に声をかけると、ムッとして席を立ち、暖簾を掻き分け悲しげに去っていく。一同後姿を見送った後、次の人に番が移る。『おいおい、俺はまた無視かよ』と皆に問うが、誰人気付きもしない。『そうか、俺も昨年・・・・・ !』」。この夢の分析はいかに? 本年もご拝読の程、よろしくお願いします。 小堺